鈍感3号番外編――役得
「……ってわけでルーミィ達が邪魔したみたいでごめんね」
「ルーミィ達も悪気があったわけじゃないんだ」
目の前で申し訳なさそうに謝る二人にマリーナは声を無くした。
むろん、パステル達の言っていることに対してと言うことにではない。
「トラップってば……子どもなんだから」
顔を少し染めて呟いた。
「えっ?」
「ううん、何でもない。二人が気にすることなんてないわ。もちろんルーミィちゃん達もね」
パステルのスカートの裾をギュッと握り自分を見つめるルーミィにマリーナは微笑みかけた。
微笑みかけられたルーミィはパッと表情を明るくさせた。
「……さて、ちょっと出かけてくるわね」
「トラップなら部屋に寝てたよ」
どこへ――そう言っていないのにクレイが口を開く。
「なっ、べ、別にトラップのとこなんて言ってないでしょ」
「でもそうだろ」
何でもないように答える。
他人のことにはよく気が付くクレイにマリーナは仕返しを思いついた。
「私達のことはどうでも良いの。それより――二人はこれからデートなのぉ?」
「「なっ!?」」
思った通り二人で赤くなっている。
何か言おうとしている二人にそんな暇は与えずルーミィの手をとった。
「ルーミィちゃん達は私が宿に連れて帰るから、二人っきりで楽しんでね。じゃあね♪」
言いたいことだけ言ってマリーナはルーミィとシロを連れて出ていってしまった。
あとに残った二人は顔を真っ赤にさせて固まることしかできなかった。
それから二人はマリーナの思わく通りというか、とりあえず近くの公園へと散歩へやって来た。
いつもならば何かしら会話が弾むのだが、いかんせんマリーナの言った“デート”と言う言葉が気になって
二人とも一言も話せないでいた。
そこにパステルはアイスクリーム屋を発見した。
「あっ……ねぇ、クレイ。アイス食べない」
「う、うん。そうだな、そうしよう」
ようやく普段の感じを取り戻した二人。
パステルはストロベリーをクレイはチョコミントをそれぞれ買いベンチへと腰掛ける。
「おいし〜」
一口食べてパステルが歓声を上げた。
本当においしそうに食べるパステルをクレイは優しい目で見つめた。
そして、あまりに可愛い顔で食べるものだから、フッと悪戯心が芽生えてしまった。
「そんなにおいしいのか?」
「うん。あっ、こっちも食べてみる?」
思った通りの答えを返してくれる。
「そのかわり、クレイの――」
パステルの言葉が止まった。
触れあった唇を離しクレイがニッコリと笑った。
「本当だな。甘くておいしい」
顔を真っ赤にして何か言おうとしているパステルを見て、今度は何を食べようか、とクレイは思った。
追記――やはりクレイとトラップは幼なじみだった。