トラマリ Love Fortune小説風

トラマリWEBドラマを簡単な小説にしていこうかと思ってます。
そういうのがあった方が投稿しやすいかな、と思いまして。


続きはこちら!


シルバーリーブにマリーナが遊びに来た。
マリーナは恋人であるトラップの部屋を訪れて・・・。
「そーだ、トラップ、わたしとあんたの愛の物語、どういう設定にしたい?」
向かい合って座ってしばらく話をしていたら、マリーナがいきなりそんな事を言い出した。
「なんだよ、それは!!知るかっ!」
トラップはそっぽ向いた。
「照れる事ないじゃない。耳まで真っ赤よ?」
マリーナの指摘にトラップはますます赤くなった。
「うっせー!!!!好きにすりゃいいだろ!?」
トラップはこれ以上マリーナにからかわれないようにと立ち上がり、彼女に背を向けた。
「ふぅん・・・。じゃあわたしがトラップに飽きて誰かかっこいー男の人と人生をやりなおすってい う話にしようかしら」
ぴくっとトラップの背中が反応した。
「・・・・・・・・」
「どーしたのぉ?トラップ〜」
トラップの素直な反応に、マリーナは音も立てずに椅子から立ち上がり、楽しそうにトラップの顔 を覗き込んだ。
トラップは観念したように肩を落とした。
「・・・・なんでこんな女に惚れてんだろうな・・おれ」
その言葉にマリーナの瞳が明るく輝く。
「ふふっ。素直でよろしいっ!」
マリーナはそのまま後ろからトラップの背に飛びついた。
「うわっ!抱き着くなって!」
それでも、トラップはふらつきもしない。
「顔が笑ってるわよ? 嬉しいくせに」
飛びついたので、トラップの顔と同じくらいの位置にマリーナの顔がある。
トラップは多少慌てたが、間近にあるマリーナの瞳を横目で見つめて、
「そーゆーマリーナさんだって嬉しそうじゃあありませんかね?」
と仕返しをした。
そんな2人をこっそり見守る2人がいた。
「コソコソ(・.|」
「パステル!覗き見はよくないぞ!(ひそひそ)」
パステルとクレイだ。
パステルの好奇心に、たしなめていたクレイまでもがついて来たようだ。
2人とも久しぶりに会ったトラップとマリーナがちゃんと仲良くしてるかどうか気になった んだろう。
「そーゆークレイだってこそこそしてるじゃない(ひそひそ)」
結局、覗き見をしてる事には変わらない2人だった・・・。
「えっ……そ、そんなことはないぞ? 俺はただ、2人が心配だな……って」
罪悪感もあってか、クレイは慌てて否定した。しかし、その声はとても小声とは言えないもので・・ ・。
「わわっ!クレイ!あんまり大きな声を出すと・・・」
パステルがクレイの口をふさいだ。
「部屋ん中にまで聞えるんだよなぁ」
ニヤニヤと笑ってるトラップがいつの間にか戸口に立っていた。
「ト、トラップ・・・」
クレイはとっさにフォローできず、ただ相棒の名前を呼んだ。
「趣味が悪いわよ? お2人さん」
マリーナもトラップの横から顔を出す。
「マリーナ・・・・」
パステルもクレイと同じようだった。
「「ごめんなさい〜!!!」」
とクレイとパステルは慌ててその場から離れようとした。
が、トラップがクレイの腕をつかんだ。
「ちょっと待てよ(にやにや)」
「な、な、なんだよ」
クレイは見つかった動揺がまだ続いているらしい。
「パステルと仲良く盗み聞きか? 2人で何してたんだよ(にやにや)」
トラップはクレイの肩に腕をまわし、小声で耳打ちする。
「べっ別に何もしてない!!ただ、話してたらパステルが『あの2人、ちゃんと仲良くしてるかな』 って・・・」
クレイはトラップの腕を振りほどき、慌てて弁解した。
「へぇ〜。それをマナーにうるさいお前が止めもせずに一緒になってねぇ」
トラップはまだにやにやと笑っている。
「悪かったよ。もうしないって。パステルにもちゃんと言っておくから」
さすがに悪いと思ったのか、クレイがちゃんと謝った。
「ばぁか。そういう事じゃなくてだなぁ。パステルの気持ちがわかんねーのか? お前」
しかし、トラップはクレイの謝罪は意に介さず、再びクレイの肩に腕をまわした。
「パステルの気持ちって・・・」
今度はクレイも腕をほどかない。
「おめぇにとっととはっきりしてもらいてーんだろ? もーちっとオンナゴコロって奴をわかっと けよ」
そのトラップの言葉にクレイは素直に真っ赤になるが、トラップは心の中で舌を出していた。
トラップの進言ともとれる言葉は、実はマリーナと2人だけの時を邪魔された仕返しの、 適当な事だったのだ。
そのトラップの頭を軽く叩いた人がいる。
マリーナだ。
「よく、人のことが言えたものね……」
そう言って、ふんっとそっぽ向く。
「なんだよ。おれはいつもお前の事わかってるだろ?」
トラップが機嫌を取るようにマリーナに聞くが・・・。
「ひゃっひゃっひゃっひゃっ……」
突然キットンの声が響き渡った。
いつの間にか部屋から出てきたらしい。
「キットン、2人の邪魔しちゃ駄目よ」
パステルはまたいい感じになってきたトラップとマリーナを見ていたいようだ。
好奇心旺盛な年頃である。
「邪魔なんてしてませんよ〜。まだまだ若いでしすねぇ、あの2人は」
キットンはぐふぐふ笑いながら言った。
「どういう意味?」
パステルが不思議そうに尋ねる。
「トラップはマリーナの事をわかってる気になってるし、マリーナは素直じゃないって事ですよ」
「ふぅん・・・キットンって結構そういう事詳しいよね」
キットンの言葉に、何となくわかったようにうなずきながら、パステルが感心する。
「パステルが鈍すぎなだけだとも思いますがね。・・・苦労しそうですよねぇ、クレイ」
一方、マリーナたちは・・・。
「あら。わたしのどの辺をわかってるっていうの?」
マリーナがトラップに詰め寄っていた。
トラップは天井を見上げて、生返事で返答を返す。
「気が強くて意地っ張りでプライドが高くてだな」
「へぇ」
マリーナはそれを面白そうに聞いていた。
「・・・強がりで馬鹿な女だよ、おめぇは」
マリーナの方へと視線を転じて、トラップが断言した。
「そうかしら?」
「不満か?」
マリーナの疑問に、トラップが聞き返す。
「もちろんよ。一番肝心なところが抜けてるわ」
「馬鹿な盗賊に惚れてるってとこか?」
トラップは少々おどけて応えた。
「どうかしらね」
マリーナはふいっとトラップから顔をそらした。
「おめっ! 言わせといてしら切る気かよ」
「トラップが勝手に言ったんじゃない」
顔を赤らめて怒るトラップに、マリーナはクスクスと笑っていた。
「ほんとの事だろ?」
トラップはマリーナに近づき、真顔でたずねた。
「知らないわ」
マリーナはふいっとそっぽ向いたが、その顔は若干赤くなっていた。
(なんなのよ・・・アイツ・・・)
急に態度を変えられて、マリーナは珍しく戸惑っていた。
「おい、おめー顔赤いぞ?」
この程度の事でいつも強気なマリーナの様子が変わるとは思っていないのだろう。
トラップは不思議そうな顔に、若干の心配をにじませてマリーナの顔を覗き込んだ。
「うるさいわね!!」
トラップの行動1つでこんな風になってしまう自分をしられたくなくて、マリーナ はつい怒鳴ってしまった。
そこまでマリーナの態度がおかしければ、原因に気付かないトラップではない。
ニヤッと笑ってマリーナが傍から離れていかないように、腕をつかんだ。
「怒る事ねーじゃねーか。おれは素直になれないおめぇも好きだけどよ」
「・・・・・!!??」
かぁぁぁぁっとマリーナの顔が真っ赤に染まる。
「たまには、素直なお前もいいよな」
トラップはそう言って、マリーナをそっと抱きしめた。
抵抗もしなかったマリーナだったが、しばらくしてから、
「トラップ・・・」
と甘く囁いた。
「なんだ・・・?」
マリーナの囁きに、トラップも、マリーナの耳元に声をかけた、が
「調子に乗りすぎよ!!!」
マリーナはそう言って、トラップの足を思いっきり踏んづけた。
「イテっ!あのな〜おめぇもう少し素直になれよ!」
トラップは足を押さえながらマリーナに文句を言う。
「あんたに言われたくないわよ」
普段、ちっとも素直じゃないのはトラップじゃない。
マリーナは心の中でそう思った。
でも、素直じゃないからこそ、トラップの想いはわかりやすかった。
愛されてるという事実は、マリーナを安心させる。
だからこそ、マリーナも素直にならないのだ。
それでも、お互いに通じ合えるから・・・。
「あ」
2人の世界に入っていたトラップとマリーナはその一言で我に帰った。
そこには、いつの間に来ていたのか、ルーミィがいた。
「あ?」
珍しくトラップが間の抜けた返事(?)を返した。
「ちょっと、2人して一体どうしたの?」
マリーナは2人の無意味なやりとりを止めた。
「いや別に......ってゆうか何でこいつがここにいんだよ!?」
ようやく正気に戻ったのか、トラップは声を大きくした。
そこに今度はパステルが入ってきた。
「あっ!ルーミィこんなとこに居たの?二人の邪魔しちゃ駄目じゃない!」
ルーミィの傍に行って、軽く叱る。
「・・・?なんでだおぅ???」
ルーミィは意味がわからずにパステルに聞き返す。
「今二人はラブラブ状態だからよ」
パステルはルーミィ相手に真面目に返事をした。
が、それを聞いたマリーナは慌てた。
「ちょっラブラブってパステル!(///)」
「あ、赤くなってる!!珍し〜」
今まで見なかったマリーナの反応に、パステルはからかいながらも喜んでいた。
こんな風に素直に表情を変える事は今までなかったからだ。
「パステル・・・お前も十分邪魔してるよ・・・」
そこに今度はクレイが登場した。
どうやら、クレイとパステルはずっと部屋を覗いていたようだ。
「え!?あ、そ、そうだね。ごめんね、2人とも!さ、ルーミィ、向こうに行こうね」
さきほどまでの2人の甘い雰囲気を思い出したのか、パステルの方が赤くなりつつ ルーミィの手を引いた。
「わたしも行く!!」
そう言ったのはマリーナ。
「えっ?マリーナはここで休んでていいよ?」
2人にわかりやすく気を使ったパステルの言葉だったが、マリーナの行動は変わらなかった。
「いいの!! 一緒に行こ、パステル」
マリーナはそう言うと、パステルの腕を取って、ルーミィと3人で部屋から出ていってしまった。
「ト、トラップ・・・」
部屋に残されたクレイはトラップに気遣って声をかけたが・・・
「くっそ〜待てよマリーナ!ほらクレイ何ぼさっと突っ立ってんだよ!追いかけっぞ!」
トラップは落込むよりまず行動する人だった。
そしてトラップはクレイを引っ張ってマリーナ達を追い掛けて部屋から出てった。
「おいっ!ちょっと待てよ!」
マリーナとパステルに追いついたトラップは、そう言ってマリーナの手首を掴んだ。
「なによ」
「なによってお前・・・そんなにおれと2人でいるのが嫌なのかよ」
「そんな事言ってないじゃない」
マリーナのそういう言葉が意地を張ってるだけだという事をよくわかっているトラップはにやりと笑った。
「じゃあパステル!クレイ頼むぜ!俺はマリーナにシルバーリーブ案内してくらぁ!」
「え?」
突然の事に驚いたマリーナにかまわず、トラップは軽快な足取りで階段へと向った。
「いってらっしゃい♪」
パステルはにこにこと手を振った。
「パステル〜!! こいつ止めてよ〜」
最後の抵抗でパステルに助け(?)を求めたマリーナだったが、パステルが止めるはずもなく、 トラップに連れられてマリーナは旅館から外へと行ったようだった。
しかし、状況を把握しきれていない人が1人いた。
「なんでマリーナはあんなに嫌がってるんだ? トラップとケンカしたのか?」
不思議そうに尋ねるクレイに、パステルは呆れてため息をつきながら説明した。
「クレイ、マリーナはね、ただたんに恥かしいだけなのよ・・・」
「恥ずかしいって・・・あのマリーナが? 」
普段の沈着冷静なマリーナしか知らないクレイは幼なじみであるにも関わらず驚いて問い返した。
「・・・クレイってほんと、女の子の気持ちとか全然わかってないよね・・・。いいよ、もう。行こう、ルーミィ」
ちょっと怒ったパステルはルーミィの手を引いて、さっさっと部屋に戻ろうとした。
「あっちょっと待ってくれよー!」
慌てて追いかけたクレイだったが、
「・・・わたしの気持ちにも、全然気づかないんだから・・・」
「パステル、何か言ったか?」
パステルのつぶやきは聞き取れなかったようだ。
いつもこんな風だからこの2人はトラップとマリーナに後れを取っているのだろう。
「別に!」
それでもパステルはにっこり笑って返事を返した。
などとクレイとパステルが微妙にいい雰囲気になっている時、トラップとマリーナは・・・
「ほらっ!こっち来いよっ!」
「ちょっと、トラップ!いい加減、手放しなさいよ」
町中をしっかりと手を繋いで歩いているようだ。
「んだよ別に良いじゃねーか減るもんじゃあるめーし・・・何?もしかして恥かしいのマリーナちゃ〜ん」
にやにや笑っていうトラップだったが、
「そうね、趣味を疑われそうだし」
にっこり笑ってそう切りかえすマリーナの方がどう見ても上手だ。
「おい、それどーゆう意味だよ・・・・・?」
さすがにむっとしたのか、トラップが低い声で聞き返すが、
「言葉通りの意味よ? 趣味がいいとは言えないでしょう? そのタイツとか」
「なんだと〜?!これはな〜先祖だいだい受継がれて来た由緒あるタイツなんだぞ!」
話題をタイツにすりかえられた事に気づいてるのか気づいていないのか、いつもの口上で言い返した。
「知ってるわよ。・・・ずっと同じ家にいたんだから、あんたの事なら何でもわかるわよ・・・」
「ふ〜ん・・・じゃあ今から俺が何しようかわかる?」
マリーナの言葉に機嫌を直したのか、トラップはいたずらな子供のように楽しそうにマリーナの顔を覗き込んだ。
「わたしが喜ぶような事じゃなさそうね」
マリーナが呆れたように返事をすると、
「あったり〜vv」
と言いながらマリーナに軽くkissをした。
「な、なななななな!!!?????」
突然の事だったからか、マリーナはkissされた所を押えて真っ赤vvになった。
「んな驚いたか? じゃあさ、こういう事したら?」
マリーナにしては新鮮な反応に、トラップはそう言ってマリーナを肩を抱き寄せた。
「放し・・・。ま、いいわ」
少し抵抗したマリーナだったが、結局はトラップの胸に頭を寄せた。
(こんなに鼓動が早くなってるのね。トラップが素直じゃなくても、心音は素直だわ。 わたしもたぶん、同じくらいドキドキしてるから、今日は甘えさせてあげる)
マリーナは心の中でそう告げた。
当然振りほどかれると思っていたトラップは、マリーナの態度にちょっと嬉しそうに、
「なぁ、どっか行きたいとこあるか?」
と、聞いた。
「う〜ん・・・そうねぇ・・・ここ観光スポットとか無いの?それかパステル達ちょっと見に行かない?」
ニヤリと笑ってマリーナはそう言った。
「あ? あいつら」
マリーナからの意外な提案にトラップは面食らったようだ。
「そうよ、面白そうだと思わない?」
「う〜ん・・・さっき見事に邪魔されたからな〜・・・よ〜し!今度は邪魔してやるぜ!」
邪まな事を言い出すトラップだったが、
「邪魔してどうするのよ。そうじゃなくて、こっそり覗いておいて、後でからかうんじゃない」
さすがはトラップの恋人、とでも言うべきか2人ともどっちもどっちだった。
「ジョーダンだよジョーダン♪もうマリーナちゃんってば本気にしちゃって☆」
「からかったわね? じゃあ、どこに連れてってくれるのかしら?」
「う〜ん・・・あいつらが行きそうな所ねぇ・・・」
考えこんだトラップを見てマリーナはちょっと文句を言った。
「って結局パステルたちを覗きに行くのね。どっちなのよ、もう・・・」
(せっかくのデートなのに2人っきりの甘いムードってわけにはいかなさそうね)
マリーナは町中にいる恋人達のように笑い合えていない自分たちに少し気落ちしたようだ。
「いいじゃん別に、それに提案してきたのはマリーナの方からだぜ?」
「あら、トラップ。わたしを騙せると思ってるの? 言い出したのはあなたの方よ」
「わーったわーったそう言う事にしときますよ・・・」
実際に言い出したのはマリーナなのだが、これ以上言い合いをしてもしかたないと、 トラップはちょっと溜息をして、自分から折れた。
「なによ、文句でもあるの?」
トラップのため息が気に入らなかったのかマリーナはさらに言葉を重ねたが内心では、
(わたしってどうしてこんな言い方しかできないのかしら。トラップ、わたしみたいにかわい げのない女を選んで後悔してたりなんてことは・・・)
と、不安になっていた。
しかし、付き合いの長さとマリーナを見つめていた年月は、トラップに
(こういう素直じゃ無い所も可愛いよな)
と思わせるようになっていた。
「いんやべっつに〜」
なのでトラップはニヤニヤしながらそう返事をした。
「全然納得してないじゃない。いいわよ、もう。それより、どこに行くの?」
トラップの少しも怒っていない余裕の態度に、マリーナは安心しながらもやはり素直には言えないらしい。
それでも心の内では
(せっかく会ってる時に喧嘩なんてしたくないわ)
と思っているのだ。
「う〜ん・・・じゃあ最近森にできた評判のいい店に行ってみっか?」
ちょっと考えたトラップは手を打ってマリーナに笑顔を向けた。
「そうね、そこに行きたいわ」
「じゃあさっそく行くか!」
トラップはマリーナの腕を引っ張った。
「うん!!こっちなのね?」
(今度は引っ張られるだけじゃなくてわたしも引っ張るんだから)
「ああそうだけど?」
「じゃあlet’s go!」
そう言ってマリーナはトラップより前に行って、トラップを引っ張って歩き出した。
「お、おい!!道、大丈夫かよ!」
「大丈夫よもし迷ったとしてもトラップが居てくれるもんね!」
「そりゃまぁな。おれに任せとけって!」
(こいつに頼られるのって結構嬉しいもんだな)
鼻を軽くこすって、トラップは満面の笑みで胸を張った。
「よし任せましょう!」
「とりあえず、この森ん中だ。ま、そう奥にあるわけじゃねーからすぐつくけどな。はぐれんなよ」
「うん!」
素直に返事を返したマリーナはトラップの腕に自分の腕を絡ませた。
「へへ。んじゃ行くか(ちょっとくらい遠回りしてもいいよな)」
そしてトラップとマリーナは森に行きました。
「へぇ、結構明るいのね。森っていうからもっと暗い感じかと思ってたけど」
「だろ?だぁら結構気に入ってんだぜこの森!」
「トラップにも自然を愛する心なんていうものがあったのね」
マリーナは感心したようにつぶやいた。
「おめぇ・・・嫌味か?」
「あら、私は心に浮かんだ事を素直に言っただけよ?」
「へーへー。素直だよ、おめぇは」
「くすくすっvvまあね!ほらっ早く行こ!」
楽しそうにいつもの会話をしていた2人だったが、ふとトラップの口から本音が出た。
「んだな。でもよ、ちっとゆっくり歩かねぇか?」
「あら?トラップもしかして私ともうちょっと二人っきりでいたいの?」
素直なトラップの言葉にマリーナはとっさにどう反応していいかわからずにおどけてそう応えた。
「美人のマリーナさんの隣を歩く機会なんてそうざらにあるもんじゃあありませんからねぇ」
トラップも負けずにおどけて言葉を返した。
「なに馬鹿な事言ってんのよ!ほら!さっさと歩く!」
照れたのか、マリーナはそう言ってトラップを軽く叩いた。
「本当のことだぜ・・・? おれは幸せもんだよな」
「あら、じゃあもっと幸せ者にしてあげようか?」
悪戯っぽい笑顔でマリーナは囁いた。
「お、おうっ! いいぜ?(ドキドキドキ・・・)」
さっき自分がした頬へのキスのような事をしてくれるのかと、かなりの期待を込めてトラップ はうなずいた。
「なーんて嘘よ!」
しかし、マリーナはそう言って舌を出した。
「おまっ!!・・・いいけどよ。いつまでもお前が上手だと思うなよ?」
トラップはそういうとマリーナの手を引っ張って走り出した。
「きゃっちょ、ちょっとトラップ?!」
「ちゃんとついて来いよっ!」
「ちゃんとって・・・きゃー!」
トラップがいきなり走り出したために、マリーナは地面に出ていた木の根に足を取られて転びそうになった。
「っと! やっぱおれについて来んのは無理なのかねぇ」
マリーナを抱き止めたトラップはニヤニヤ笑って嬉しそうにそう言った。
「あんたが引っ張ったからでしょーがー!」
トラップの言い方に怒ったマリーナだったが、
「おれが引っ張ったくらいで着いてこれなかったわけだろ? マリーナちゃんもまだまだだねぇ」
トラップはさらに挑発した。
「いきなり引っ張られたら誰でも着いてこれる訳無いでしょ!」
「おれならできるぜ? なんつったって盗賊だしな。マリーナちゃんは盗賊なわけじゃねーから まぁ無理かもしんねぇよなぁ」
怒ってるマリーナを見るのが楽しいのか、マリーナを怒らせてるという事実が面白いのか、 トラップはいつまでもマリーナをからかっていた。
「まあね・・・でも、昔おでぶちゃんだったよりマシだと思うけど?」
ニヤリと笑ってマリーナが主導権を握ろうとする。
いつまでもトラップに言われてばかりのマリーナではない。
トラップ、そこでマリーナを引き寄せてひとこと・・・。
「今のおれがたとえどんな体型してたって、おめぇはおれに惚れてるだろ?」
トラップは精一杯きめたつもりだっただろうが、
「そーかしらねー?」
マリーナは面白そうにトラップの反応を見ている。
完全に立場が逆転したようだ。
「あったりめーだろ。おれが惚れさせるんだからよ」
お前がどこを見ていようと、おれの外見がどんな風であろうとも、おれはお前を振り向かせる。
そう、かっこよく言ったトラップだったが、
「ふ〜ん・・・なんかちょっと意味分かんないけど・・・まあいいわっほらほらっ早くお店に 行かなくちゃ閉まっちゃうんじゃないの?」
マリーナには通じなかったようだ。
「・・・せっかくびしっと決めたのによぉ・・・。ま、いいか。んだな、とっとと行くか」
「そうそう!じゃあGO!」
ふたりは顔を見合わせ微笑み、そして腕を組んで歩き出した。
「ここだぜ」
「へ〜・・・ねぇ、本当にここなの?」
その店を見てマリーナが疑惑を込めてトラップに聞いた。
いまいち信用がないようである。
「あんま店っぽくないけどな。ただの小屋みてぇだし。ま、入ってみそ」
トラップがそう言ってマリーナをうながした先には、森の中にあるにはぴったりな、しかし 店というには質素すぎるたたずまいの建物が建っていた。
トラップに言われたマリーナは素直にその小屋のような店の戸を開けて中に入った。
「うわぁ・・・」
一歩足を踏み入れたマリーナは感嘆の息をもらした。
「結構本格的だろ?」
店の中は黒い布が天井から吊るされていた。その中央にはぼんやりと光るテーブル。その奥 にいるのは紫の衣をまとっい、顔までフードで覆った人物。そう、ここはー。
「占いの館?」
「そういうこった。こういうのってなんでか人気あるよな。うさんくせー事この上ねぇのによ」
自分で誘っておいてその言い草もないものだが、トラップらしいというかズバズバと言い放つ。
「ちょっとトラップ失礼よ!」
「別にかまいませんよ」
中央にいた人物がおもむろに口を開いた。目深にかぶられたフードのせいで性別すらわからな かったが、どうやら若い女性のようだ。
「あの・・・ここってどんな占いをしてるんですか?」
興味がわいたのだろうか。
マリーナが占い師に向って尋ねた。
「なんでも占えますよ。明日の運勢、探し物、天気なんかも占います。もちろん、彼との相性な んていうのもね」
占い師はそう言ってトラップに目をやった。
「んな事しなくたって俺とマリーナの相性は抜群に決まってんだろーが!」
トラップは占い師に向って叫んだ。
それが、単に占いというものを全く信用していないせいなのか、それとも占われてもし悪い結果が 出たら・・・という危惧からのものなのかは、わからない。
「あら、もう恋人同士なのね。今後のあなたたちがどうなるか、なんて知りたくない? いつ結婚 するか、とかね」
フードからわずかに覗く口元がニッとつりあがった。
「う〜ん・・・」
マリーナはうなって考え込んだ。
その様子を見たトラップは当然のように怒り出した。
「考えんなー!くそっそんなに俺が信用ならねえかよ!」
「あら、違うわよいつあんたが浮気するか?とか聞こうかな〜とか考えてたのよ」
しれっと答えるマリーナに悪びれた様子はない。
こういうやりとりができるのもこの2人ならでは、といったところだろうか。
「それこそ信用してねーじゃねーか!」
トラップはぶつぶつ言っていたが、
「仲がいいわね〜」
ふふっと笑ってそう言った占い師の言葉の方が、マリーナには気にかかったようだ。
「そう見えます?」
「あったりめーよ!」
2人は同時に口を開いた。
「見えるわよ、もちろん」
マリーナの真剣そうな声と、トラップの自信満々な言い方のギャップに、占い師はおかしそうに笑った。
「あんだよ、マリーナ! んな深刻そうに言うんじゃねーよ! 本気にされんだろーが」
トラップはマリーナに向って怒鳴る。
「だって今までそんな事言われた事無かったじゃない?だからそう言った限りよ!」
マリーナも負けずに言い返す。
「仲が良い」そう言われた事がよほど嬉しかったのだろう。
「はあ?言われなかったか?」
トラップにしてみれば自分たちの気持ちの方が大事であって、人にどう見られていようと 気に留めるような事ではなかった。
「言われなかったわよ!」
それでも、マリーナにとっては重要な事だったのだ。
「まあまあお二人さん痴話喧嘩は人に迷惑のかからない所でやろうね」
そこに突然現れたのは、パステルだった。
「止めないでパステル!・・・・・ってパステル?!!何でここにいるの??!」
ワンテンポ遅れて気づいたマリーナは先ほどよりもさらに大きな声で叫んだ。
「え。あ、その・・・」
どう説明するべきか、パステルは困ったようにクレイを見上げた。
「悪かったな、マリーナ。トラップ。いや、おれたちもちょっとその辺を通りかかっ たんだけどさ。そしたらこの中からすごい声が聞こえてくるから。それで入ってみたんだよ」
クレイがすかさず助け船をだす。
こちらの息もぴったりなようだ。
「そんなに声でかかったか?」
トラップが半信半疑、というより、からかう材料を見つけて内心小躍りしてるのだろう、とぼけた声でクレイに言った。
「なんで二人がここにいるの?」
マリーナが質問の重要点を重ねて問いただした。
「マリーナの声、外まで響いてたぞ・・・」
トラップに答えた、というより、他に言いようがなかったのかもしれない。
クレイはそうやってマリーナの問いから逃れようとした。
クレイにしては頑張ったと誉めるべきかもしれない。
「そんな事聞いてないでしょ!何でパステル達がここを通りかかったか聞きたいの!」
マリーナもトラップと同じように楽しもうとしてるのだろうか?
わかりきった事を、さも苛立ったように声を荒げてクレイとパステルに詰め寄った。
「ちょっと散歩してただけだよ、ね、クレイ!」
「あ、あぁそう。そうだよな。うん、散歩してたんだよ」
ちょっと慌てたパステルと、動揺してる事がバレバレのクレイ。
似たもの同士である。
「実は覗いてたんだろ?」
トラップが聞くと、
「あら、もしかしてここで二人の相性を聞きに来たのかもしれないわよ?」
面白そうにマリーナもからかいはじめる。
「やっ! なっ!! そんな!!」
動揺が収まってないパステルの口から発せられるのは言葉ではなかった。
「あら? もしかして当たりだった?」
パステルの様子にマリーナがからかっているのか好奇心からなのか、瞳を輝かせてパステル に尋ねた。
「覗きなんかするわけないだろ!!」
一方クレイはトラップに返事を返していた。
「本当かな〜?」
疑いの眼差しでトラップはクレイに言葉を返した。
「ほ、ほんとだって!!」
しどろもどろになりながらもクレイはきっぱりと否定した。
「前科があるよな? クレイちゃん♪」
部屋にいた時に覗かれたのをまだ根に持ってるのか、トラップはしつこかった。
「それより二人とも何の為にここに来たの?」
らちがあかないと思ったのか、パステルが話しを変えた。
「え? トラップがいいお店があるからって連れてきてくれたのよ」
パステルに切り替えされるなんて・・・。
と、多少のショックを受けながらマリーナはそれでも平然と返事をした。
恋人同士の余裕なのかもしれない。
「へえ・・・トラップがねぇ・・・」
クレイが意外そうに言葉をもらす。
「お客さんがたいったい何を占いたいのですか?」
そんなトラップたちのやりとりに、とうとう痺れを切らしたのか占い師が声をかけてきた。
「へっ?」
パステルがキョトンとした顔で占い師を見た。
「ですから皆さんいったい何を占いたいんですか?」
少し苛立ったような声で占い師が聞いてきた。
「え。えっと・・・」
クレイの方をチラッと見ながらパステルはちょっと恥ずかしそうにしている。
「そ、そうね・・・」
なんとなく漂う甘い雰囲気に、さすがのマリーナも顔を赤く染めている。
トラップの方にチラッと目をやった。
「俺達(クレイ&パステル・トラップ&マリーナ)の未来を占ってくんねー?」
トラップが意を決したように(?)、占い師に頼んだ。
「それで良いのね?」
占い師は聞き返した。
「はい。お願いします」
クレイも真剣に答える。
「分かりました、でわ・・・」
そう言うと占い師は水晶球に手をかざしなにやら呪文を唱え始めた
「我この者達の願いを聞きいれたもう・・・・・(以下略)ルベラシ!」
「ど、どうなんだ!?」
勢い込んで聞いたのはトラップだ。
「落ち着きなさいよ、トラップ」
マリーナがそんなトラップを軽くたしなめる。その顔が嬉しそうだったのは言うまでもないだろう。
「いいね、あの2人。トラップがあんなに素直になっちゃって・・・」
パステルは2人のやり取りを羨ましそうに見ていた。
「ああ、そうだな・・・・・って俺そんなに素直じゃ無いのか?!」
トラップに焼き餅でも妬いたのか、クレイが不満そうにパステルに聞いた。
「・・・そういう意味じゃないよ・・・(クレイってほんと色恋にはうといんだから・・・)」
恋をすると人は変る。
それを目の当たりにしたパステルは、それだけマリーナを想えるトラップと想われるマリーナ を羨ましく思っただけなのだが、クレイはよくわからなかったようだ。
遠回しにトラップとマリーナみたいにちゃんとした恋人同士になりたいなと言っている わけだが、クレイにそんな事がわかるわけがない。
「? じゃあどういう意味なんだ?」
やっぱりわかってないクレイはパステルに尋ねる。
「そんなに私の口から言わせたいの・・・?」
「え!? おれそんなに悪い事言ったのか」
パステルの言葉にクレイはびっくりしたように言った。
「はあ・・・違うわよ・・・」
パステルがため息をつきたくなるのも無理はないだろう。
「パステル、悪い事言ったのなら謝るからちゃんと話してくれないか?」
クレイはそんなパステルの様子に傷ついたのか、これ以上パステルを落込ませたくないと 思ったのか、真面目に質問した。
「しょうがないわねぇ・・・じゃあクレイちょっとこっち来て」
「クレイはパステルに引っ張られて小屋の隅に連れて行かれた。


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