「クリスマスかぁ」
パステルは伸びをした。
「まさかクリスマスまで原稿書いてるとは思わなかったな・・・。そりゃぁ、少し浮かれ
てサボったりもしたけどさ・・・」
「そうだな」
いつの間にいたんだろう?
パステルは顔中に疑問符を浮かべてクレイを見た。
「息抜きで散歩なんていいんじゃないか?」
「誘いに来てくれたの?」
パステルはにっこり笑った。
「ルーミィもシロも昼寝でちょっとたいくつしてたんだ」
「そう言えばトラップもマリーナの所だもんね」
「キットンとノルは怪しげな・・・薬草を取りに行くとか・・」
パステルは“怪しげな”って言うところで顔をしかめた。
「行こうか、クレイ」
「あ、雪が降ってるから暖かくしてけよ」
「はーい」
何となくルーミィに言うみたいなクレイの口調にパステルは少し笑って厚着した。
「何処行くの?」
「うーん・・・、そうだな。何処がいい?」
「クレイが決めてよ、ねっ?」
「そう言えば・・・、以前から一緒に行きたい場所があったんだよ」
クレイは歩き出した。
パステルも慌てて追いかけた。
クレイはくるっと振り返るとパステルの手を取った。
「え・・・・?」
後ろから見るクレイが真っ赤になってるのを見てパステルは下を向いた。
「暖かいね、クレイの手・・・」
パステルはそっとつぶやいた。
「何か言った?」
「ううん、何も言ってないよ」
クレイはキラキラしてる街を抜けて静かな森に来た。
森はいつもルーミィ達と来てる時とは違う雰囲気をしていた。
「かなり積もってるよぉ、クレイ・・・」
パステルは雪に足を取られていた。
「歩けるか?」
「埋まる・・・」
するとクレイはふわっとパステルを抱き上げた。
「え? ちょ・・・、クレイ??」
「いいから」
パステルは真っ赤になった。
ギアに抱き上げられたときよりもずーっとずーっとドキドキして鼓動が早かった。
そして時間が長く感じられた。
このままで居たい。
いつしかパステルの心にはそんな感情が芽生えていた。
「ど、どうしちゃったんだろ・・・? 私」
「何が?」
「な、何でもない!」
クレイが連れてきた所は大きなモミの木の前だった。
「綺麗・・・・」
色々な色が光っている。
それも凄い数で・・・。
「何・・・。これ」
「このモンスターは恋をしてると光んだ。それで相手を見つけにこのモミの木に集まる」
パステルは目が離せなかった。
キラキラ光るモンスター・・・。
舞い降りてくる白い天使のような雪・・・。
「この木じゃないとダメなんだ」
クレイは更に続けた。
「オレはパステルじゃないとダメなんだ・・・。モンスター達のようにパステルと恋をしたい、
光たいんだ」
クレイはパステルを見た。
パステルはモミの木からクレイに目を離せなくなった。
「ウソ・・・」
「本当だ」
真っ赤になったパステルはにっこり微笑んだ。
「好き・・・」
クレイはパステルを抱きしめた。
強く、強く抱きしめた。
雪の中で小さな恋が光り始めた。
END