天使が降る日


音なんて、本当はないのに。
ふわり、ふわりと舞い降るは、雪。
きらり、きらりと輝き放つは、雪。

クリスマスに、雪。
絵本では、当たり前の世界。でも、現実は別だったから。
子供も、大人も。わけもなく、心が躍る。
「ホワイトクリスマスだな」
あなたはいつも、優しい声で。
窓の外見て、呟いてるから。
「ホワイトクリスマスね」
わたしはいつも、繰り返してる。
あなたの言葉、そっとなぞって。

「真っ白で、綺麗だな」
あなたは素直に、飾ることなく。
わたしに言葉、くれているから。
「そうだね、天使みたい」
わたしも素直に、取り繕わず。
自分の言葉、なげかけてみる。
「さすがにパステル、詩人だな」
「クレイだって、十分詩人みたいだよ」
ふたりで微笑みと、言葉と、心交わして。

静かにふたり、外を眺める。
雪は、まだまだ降り積もり。
世界は、白く染め替えられて。

空から降るは、真白き天使。






特集の部屋へ