SICK


久しぶりに、君と二人で出かけた。
だけどいつもの通り遠出するお金なんかあるわけなくて
ここはいつものシルバーリーブ。

「パステル、楽しそうだな」

君の笑顔に、そう問い掛ける。
弾む足取りに、こぼれそうな笑顔。

「うん。だって、最近クレイと二人きりってなかったでしょ?」

本当か?
そんな笑顔で、その言葉。
ちょっと期待したくなるよ。

遠くの方で、店の前から手を振るリタに、大きく手をふる君を後ろから眺めた。
君と俺の絡まった赤い糸たぐりよせて、君を抱きしめたいけど
無数の人の並と、まぶしいくらいの君の笑顔がそれをさせてくれない。

ごめんな。
君を抱きしめる事も、
気持ちを打ち明ける事もできなくて。

「クレイ!どこにいく?」

だけど楽しそうな君の笑顔。
それに負けないくらい、俺も微笑んで見せたつもりだけど。
ごめんな…
もううまく笑えてないかもしれない。

気持ちが募って
不安も募って
君の気持ちが見えなくて
俺の胸が悲鳴をあげる



「イタイヨイタイヨ」って
悲鳴をあげてる…


君の後姿が  少しにじんで見えた。


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