ふと夜中に目が覚めた。
窓の外はまだまだ暗い。何気に視線を横に動かす。
俺の傍らで、一番大切な人が眠っている。
何か良い夢を見ているのかな?口元が微かにほころんでいる。
水でも飲もうかと起き上がろうとすると、わずかな抵抗を感じた。
見ると、俺の腕を彼女が抱きつくように掴んでいた。
「ん・・・」
彼女が軽く声を上げる。起こしてしまったか?
「んん・・・すぅ・・・」
少しモゾモゾと動いたが、すぐにまた寝息を立て始めた。
俺はそっと腕を抜き、彼女を起こさないようにベッドから降りた。
水差しの水をコップに注ぎ、それを飲みほした。
静かにベッドに近付く。彼女は眠っている。
俺はその寝顔をしばらく眺めていた。
いつからか、俺の心の大部分を占めるようになった彼女。
だからこそ、彼女からの告白は何よりも嬉しかった。
彼女がいてくれるなら、俺は全てを投げ打つ事だって出来る。
勘当されかけてでも、サラとの婚約を解消出来たのも、彼女がいたからこそ・・・。
「ん、クレイ・・・」
彼女の声に、俺は我に返る。今度こそ起こしてしまったか?
しかし、起きている様子は覗えない。寝言で俺の事を呼んだようだ。
「クレイ・・・そばにいて・・・行っちゃやだ・・・」
彼女が泣きそうな声で呟く。夢の中で、俺がどこかに行こうとしているようだ。
俺はそっと彼女に顔を寄せ、耳元で囁いた。
「パステル、俺はどこにも行かない。ずっと君のそばにいるよ。いつまでもずっと・・・」
俺はパステルの頬に優しくキスした。
いつまでもそばにいるよ。だから・・・おやすみ。