「あの・・」
「はい?何でしょう。」
今日も恋占いの依頼は尽きない。
こんなのどかな街シルバーリーブでも、異性同士の恋は今日も
激しく炎のように燃え上がっている。
占い師である私にはそんな彼らの将来を占う事しか出来ない。
でも・・最近は恋の悩み相談とかも扱ってるんだけどさ。
私の名は・。
職業は冒険者で占い師。最近この辺りを拠点にお金稼ぎとして
占い屋を開いている。
「あのっ。好きな子がいるんです。」
今、やって来てるのは背の高い鳶色の目を持つ青年。
あらあら。顔、真っ赤にしちゃって。
「そうに決まってるわ。貴方の依頼は恋占いですものね。あぁ
、言わないで。
その子、パステル・G・キングって言うんでしょう?」
青年は目を見開いた。
「えっ。どうしてわかるんです!?」
私は得意げにフンと鼻で笑った。
「モノホンの占い師を馬鹿にしちゃイカンよ。
それで?どうしたの?パステルちゃんと。」
鳶色の瞳の青年は俯いて話し始めた。
「彼女、同じパーティなんです。
そろそろ一緒に組んで3年くらいなるんですけど・・
最近、急に女の子として意識してる自分がいて。
それまでは・・何ていうか。彼女の事、妹として見ていたんで
す。
でも・・俺。どうしていいかわかんないんです。
彼女。同じパーティを組んでる、トラップって奴の事、好きな
のかもしれないし。」
「そう。」
「何かいいアドバイスありませんか?」
私は重々しく口を開いた。
「ないわ。」
「えっ!?」
「だって。そんな自信ナッスィングな貴方に。私が何てアドバ
イスすれば良いの?
自分に自信を持て?そんな事、基礎中の基礎だわ。」
「・・・・・。」
「良いこと?貴方は見た目がすっごくカッコイイじゃない。そ
れにファイターで、
立派な曾おじい様もいるのに、どうして自信が持てないの?
レベルの低さ?レッテル?ジレンマ?そんなのクソ食らえって
気分よ。
ホントにその子が好きっていうんだったら、まずは自分に自信
もって立ち向かいなさい。
向こうが誰好きだろうと何よ。気持ち伝えたらスッキリするわ
よ、きっと。」
「・・どうしてそんな事を??まっまぁ良いや。ありがとうご
ざいました。俺、頑張ります!!」
「ふむ。その調子♪」
鳶色の瞳の青年は足取り軽く、人ごみの中へと消えて行った。
夕暮れ時になり、そろそろ店の周りにも、買い物の主婦が多く
なった。
「あの・・良いですか?」
「えぇ、どうぞ。掛けてちょうだい。」
そんな主婦達の間を通り抜け、やって来たのはハシバミ色の瞳
に、金髪に近い髪をした少女だった。
息も絶え絶え、はるばるこんな所までご苦労な事である。
「どうしたの?何か家庭の中で心配事かしら?」
「いえ!こ・・恋の相談です。」
「へぇ、そう。・・んで、どんな?」
少女は頬を染めて話し始めた。
「あの・・同じパーティに好きな人がいるんです。
彼、育ちが良くって。私のような普通の家系の人じゃないんで
す。
曾おじい様は青の聖騎士だし、それに彼には婚約者もいるんで
す。
あ・・でも。今ごろから家系なんてグチグチ言ってられないん
ですけどね・・。」
「そりゃあ、そうね。」
「彼、パーティ解散したらどうするつもりか・・私、知らなく
て。
離れ離れになる事考えると、怖くて夜も眠れないんです。」
私は頬杖をついていない側の手を、商売道具のテーブルへバン
ッと振り下ろした。
「先のこと考える前に、まずはそのクレイ君に自分の気持ちを
伝える事を考えなさい。
おわかり?先ばかり見てると、あとでいずれコケるわよ。」
占い師が先のことを考えるなというのも、なんとも変であるが
・・
「は・・はい。でも、どうしてクレイの名前を?」
「そりゃあね、私は占い師だもの。」
「は・・はあ。」
「それよりも!!貴女は周りを気にしすぎるのよ。家系が何?
婚約者が何っ!?
それよりもねぇ、当たって砕けてみなさい。
女は当たって砕けて、また強くなるのよ!!」
「はっ・・はい。」
「わかったら行った行った。そんで、クレイに気持ち伝えてき
なさいよ。
周りなんて気にしちゃダメよ。」
「はいっ!頑張ります!!」
私は店じまいのため、片づけを始めた。
「あら、もう行っちゃうの?」
「・・・?ああ、この街にはいすぎたわ。そろそろ他の国に行
って、恋する人間達を救わなきゃね。」
「そう。あんたって私の一番の天使だわ。これからもどんどん
くっつけちゃって。」
「勘違いしないで。私は自分の金稼ぎのためにやってるだけの
仕事よ。メナース。
あんたの神様の仕事なんて手伝ってるつもりじゃないわ。」
メナースはクスッと笑った。
「そう、あんたのそんなプライドが高いとこ、そんで遠慮ナシ
に気持ちをぶつけるところがウケてんでしょーね。
それじゃ、これで失礼するわ。んで、今日はカップルがいくつ
誕生したの?」
私はコホンと咳をして、言った。
「一カップルよ。」
「はぁ?一カップルぅ?たったそれだけ?」
「あら。最高なんだから。」
「へぇ、その二人の名前は?」
「パステル・G・キングとクレイ・S・アンダーソン。ね?最高
なカップルじゃなくって??」
〜fin〜
〜あとがき〜
うぅーんってカンジです。
今までにないドリ小・・かなぁ??
まだまだドリ小歴が浅いのかもしれんなぁ・・。
っつーことで、フリー配布の小説です。
当然の事かも知れませんが、
このページを右クリックしてそちらのHPへ持っていくのも良
いのですが、
写真素材とかは辞めてくださいね。あくまでも小説だけの配布
ですから・・