こぼれた笑顔



幼い頃に出会ったあの時から
素直になったことは一度もねーよな

「お前みたいな男勝りに誰が惚れるんだよ」

そう言ったおれが
お前に惚れてたってのに

クラスが離れても
他の奴らと遊んでても
おれらが旅立つ
あの時さえも

若干の不快さだけは
隠しようもなく表に出るのに
肝心な想いだけは
ずっと隠されたまま

目も向けられないんじゃ
おめぇだって気づかねーよな
心はいつも
おめぇに向かってたのに

照れ屋で素直じゃない
そういうおれの専売特許も
そろそろ手放す時期かもな

素直になったら
子供の頃のどんな悪戯の時よりも
おめぇは驚くんだろうな

あいつのそんな顔を想像したら
少し笑えて
少し気が楽んなった

「おい、マリーナ」

振り向くお前に
自然と笑顔がこぼれた





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