痛む胸の理由を
知らないでいられたなら
それは幸せなことだったろうか
問いかけても
答えは出ない
こぼれない涙があることに
気がついたのはつい最近で
涙はこぼれない代わりに
心に重く溜まっていくものだと
知ったのは少し前
こぼれない涙に
痛みさえ鈍化して
身に持て余すほどの
重苦しい心だけが
寂しげな音を鳴らす
君が傍にいるとき
その音は確実に大きかったのに
君と二人でいるとき
狂おしく胸を叩いたのに
気づかなかったのは
君のためなのか
自分のためなのか
遅すぎる自覚は
自分を責めさいなむためなのか
かすかな希望にすがるためなのか
空を見上げても
遠くを見つめても
重くよどんだそれに
光など見えないのに
こぼれない涙があることを
知ってしまったとしたら
それは幸せなことだなんだろうか
問いかけても
答えは出ない