君への贈り物(クレイ独白


 初めて、髪飾りを買いました。

     *

買出しの最中。
ふと目に留まった、小さな店のショーウィンドゥ。
今までは全く気づかず、素通りしてたはずなのに。
控えめな輝きが、俺の目の中に飛び込んだ。

「いらっしゃいませ」

静かな店内には、俺以外客もなく。
店主だろうか、品の良い初老の男性が、愛想良く迎え入れてくれて。
小ぢんまりした店を埋め尽くすほどの、装飾品が。
驚くほど整然と並べられ、見る者を誘っていた。

その、中で。
俺が先程目に留めたものは……あった。
無意識に手を伸ばし、そうっと自分の手の中に納めた。

「おや、お客様、それをお気に召したのですか?」

店主が微笑を湛えたままで語りかけ、俺は無言で頷く。
蝶を象った銀の細い細工に、青い硝子のような石がはめ込まれた髪飾り。

「いい品でしょう?それを作った職人は、まだまだ駆け出しなのですがね」

お安くしておきますよ?と言われて。
俺は迷わず、それを買い求めた。

銀の蝶が、青い羽を広げて。
金茶の髪の上を、ゆったりと舞うようにきらめく様を想いながら。

     *

 初めて、髪飾りを買いました。
 きっと、君に似合うから。

 だから、どうか受け取って。







HPへ 戻る