関係


道に迷ってたどり着いたエベリンの路地裏で
見つけたのは見知った顔
泣き出そうになっていたのが
あっという間に笑顔に戻る
現金だと思いながら
彼女に声をかけようとしたら
隣には彼女の彼がいた

想いが通じ合ったって聞いてたのに
ふだんはちっとも変わらなくて
久しぶりに会っても
びっくりするくらいにそっけなく見えてた

照れてるんだろうとは思ったけど
マリーナがかわいそうだって
口に出したこともあったのに

そんな二人とは
明らかに違ってた

お店のウインドウ越しに
品物を指差して朗らかに笑ってる
その表情は柔らかで
その距離は近くて
なぜだかこっちが赤面するくらいに
お似合いに見えた

それと同時に
一抹の寂しさも覚えた
家族みたいな仲間のトラップ
普段は遠いけど親友のマリーナ
その二人が別人みたいで
わたしの知ってる二人じゃないみたいで

二人には二人だけの
長い歴史があって
わたしの知らないお互いも
お互いにきっと知ってて

そんな当たり前のことを
哀しいと思うくらいに
寂しく思った

ウインドウ越しに何かを見つけた
二つの顔が振り返った

「こんなところでどうしたの? パステル」
「おめぇ、また迷子んなったんだろ」
さっきまでとはぜんぜん違う
だけど、くったくのない笑顔で
二人は話しかけてきた

二人がわたしに気づいただけで
寂しさは消えてなくなって
あったかいものがこみ上げてくる

親友のマリーナ
仲間のトラップ
二人がどんな関係を築いても
変わることのない
わたしとの関係もあるよね





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