一大決心

今日は君の誕生日
君はちょっと出かけると
部屋からそっと出ていった
君の帰りを待ちながら
気もそぞろに剣を研ぐ
気がつけば手は止まり
目は君を探していた

どうかしてるな、おれはほんとに
君がいないと気になって
君の笑顔を探してしまう
毎日、顔を見てるのに
それでもまだ物足りなくて
特に今日は誕生日
ずっと一緒にいたいから

迎えに行こうか立ち上がって
剣をしまって放り出す
マントを着るのもすっかり忘れ
階段を急いで駆け降りた
君を求めて走り出すと
ほどなくして君を見つけた

君の隣に懐かしい彼
妙な衝撃がおれを襲う
そうか君は彼に会いに
いくら離れていたとしても
君と彼の心が一つなら
誕生日くらい会いに来るよな

敗北感に身をゆだね
おれはくるりと背を向けた
そのまま逃げだしたかったのに
君はおれに気付いてしまった
君の声を無視できず
それでもおれは笑えないで
君の顔も見れなかった

君の隣の男から
挑発的な言葉がかかる
おれの頭に血が上り
おれは彼女が好きだから
思わず口からついて出た

おれと君は真っ赤になって
だけど彼は平然と
仕方ないな諦めてやるよ
今日はたまたま寄っただけ
彼はそれだけ言い残し
どこへと知れず去っていった

おれは黙って彼女への
プレゼントとして指輪を渡し
駄目なら捨ててくれていい
言えたのはたったそれだけ
それでも君は嬉しそうに
ありがとうの一言に
最高の微笑みを添えてくれた

わたしも焼き餅やいていい?
照れくさそうにうつむくから
おれは思わず抱き寄せた
途中ではっと我に返り
慌ててその手を離したけど
君の方から寄り添って
おれもちゃんと抱き締めた
今日だけは特別な
この日をきっと忘れない
パステル、誕生日おめでとう



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