一番のプレゼント


「誕生日、おめでとう」

早く寝ろよ、と何度言っても
君は生返事ばかりで
そろそろ本当に寝かせないと、と
思った矢先のことだった

星空さえ隠す木々の下
火のはぜる音と虫の音だけが
おれたちを優しく包み込む
そんな冒険帰りに迎えた誕生日

帰ったらパーティをしようと
君は何度も何度もそう言って
それだけでも充分だったのに

「零時を過ぎたかわかんないけど」

一番に言いたかったから、と
照れくさそうに視線をそらした

そんなことで、とは思わなかった
睡眠不足は大敵で
油断は命取りになる
それがわかっていてさえも

何としてでも伝えたかったことのように
眠い目をこすりながら
理由も告げずに隣に座って
おれでさえ忘れかけていたことを
そんな風に告げられたら

「クレ…」

抱きしめて口付けたことに
罪悪感はなかった
やがて力を抜いた君が
受け入れてくれたことを知ったから

「ありがとう、パステル」

何度目かのキスの後で
胸に抱いた君に伝えた
その祝福の一言が
どれほど嬉しかったかを

「うん」

背中に回された腕が地面に落ち
規則正しい寝息が聞こえてくるまで
君をずっと抱きしめていた

シルバーリーブに着いたら
みんなでパーティをしよう
今までで一番のプレゼントを
みんなにも早く伝えたいから







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