ホシゾラ
「ホウ、ホウ」窓の外から聞こえる梟の鳴き声。
その所為なのかはたまた初夏の暑さの所為なのかすっかり目が冴えてしまった。また寝なおそうと努力するが眠気は一向にやってきてくれない。
結局気晴らしの為、外を散歩する事に決めた。隣で寝ているルーミィやシロちゃんを起こさない様にベットを抜け出し服を着替える。
ドアノブに手をかけると油が切れた機械の様な音を立ててドアがゆっくりと開いた。
そのまま廊下に出て階段を目指して歩く。
すると突然、肩に何かが置かれた感じがした。びっくりして後ろを振り返るとそこには同じく驚いた顔をしたクレイが居た。
「クレイも眠れなかったの?」まだ少しドキドキする胸を押さえて問う。
「あぁ。なんか暑くってさ、外に出ようとしたらパステルが居たからびっくりしたよ。パステルも眠れなかったのか?」
「うん。私も外に散歩しに行こうと思ってたんだ。良かったら一緒に行かない?」
「そうだな。一緒に行こうか」
そんなやりとりを終えた後ふたりで旅館の玄関のほうへと向かった。
漆黒の空にはたくさんの星々が瞬いている。
夜の穏やかな風が体を包みこむ様な感じが心地いい。そっと隣を見てみると綺麗な黒髪を風になびかせながらクレイがゆっくり歩いている。
私に歩幅を合わせてくれているんだ。
そんな何気ない優しさがたまらなく嬉しくて。
「二人きりの散歩っていいね」
思わずそんな言葉が口をつく。言った後で顔が真っ赤になったのが自分でも分かった。慌てて話題を変えようと思ったときクレイが口を開いた。
「あぁ。また二人きりだけで散歩しような」
そういって優しく微笑む。
その言葉が嬉しくて
私もかれに負けないくらいとびきりの笑顔で微笑んだ。
今度はほんの少し距離を縮めてまたゆっくりと歩き出す。
夏の初めの星空の中で
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