秘密

クリスマスイヴの、夜は更けて。
子供はサンタクロースを待ちながら、眠りにつく。
大人は大切な人と、静かに過ごす。

俺は、まだ『大人』と自分の事を呼べるほどには成長できず。
『子供』というには年を取りすぎた。
けど、俺には仲間がいて、大切な人がいる。

俺の気持ちに気づかない、無邪気で鈍い、可愛い女性。
彼女は十分、女性らしく美しいけど。
心はまだ、少女のように無垢でいる。

俺は、彼女の部屋を訪ねる。
でも、彼女はもう夢の住人。
幸せそうな、眠り姫。

俺は、それでも嬉しくて。
寝顔が安らいでるのが嬉しくて。
彼女を見つめていられるのが嬉しくて。

いつか、ふたりで過ごせたら。
今日の気持ちを話したい。
君への気持ちを、自分の言葉で伝えたい。

俺は、そっと顔を寄せ。
君の頬に口づける。
甘い果実のような、柔らかい感触。

いつか、ふたりで静かに時を過ごせたら。
今日の気持ちを、きっと話そう。
君への想いを、自分の言葉で。

だから、それまでは、秘密。

《終わり》


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