二人の居場所

「とっ・・・とどかないっ・・・」
ここ、エベリン大図書館で分厚い本を次々に取っていく少女がいた。
少女の名は、“パステル・G・キング”。
趣味は読書で、詩人兼マッパーの冒険者である。
「どうしたんだ?」
聞き慣れた声が館内を響いた。
「あっ、クレイ・・・」
クレイと呼ばれた少年は、にっこりと微笑んだ。
その笑顔を見たパステルは、つられて笑顔になる。
「あの本が高いところにあって、取れなかったの」
「ふーん・・・よっと、はい」
クレイは本を取ってパステルに渡す。
「えへへっ、クレイ、ありがっ・・・!!」
パステルが礼を言おうとした瞬間、彼女の唇はクレイによって塞がれた。
クレイは唇を離すと彼女を抱き寄せた。
「パステル・・・ずっと好きだった・・・君だけをずっと見ていたんだ・・・・・」
パステルは顔を赤くしてうつむいていた。
そんな彼女を見てクレイは苦笑した。
「ゴメン・・・やっぱり、忘れてくれ・・・・・」
笑顔ではいたが、その瞳は何処となく悲しそうだった。
彼はパステルを離すとその場を去ろうとした。
「クレイッ!!」
パステルはクレイを呼び止めた。
クレイはゆっくりと振り返る。
それを合図にパステルはクレイの胸の中に飛び込んでいった。
「クレイ、あのね、私も・・・」
そう言って今までで一番の笑顔をクレイに向けた。
「大好きっ!!」
二人はお互いに抱きしめあう。

二人の居場所が出来た――・・・


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