英雄の条件


 どうして戦いどうして剣を振るう? どうして戦いどうして魔物を 倒す? そう考えると心が少し痛くなる。
 魔物の目に涙――それを見てから俺の心は本当に痛い。
 太陽の日差しさえも俺の心を突き刺す。
 俺は何のために戦う? 大切な人を守るため?
 それとも強さを求めるため? この疑問はまだ解けない。
 教えてください、おじい様、曾おじい様。
 父さん――兄さん達……。
 魔物の目に涙、彼女の瞳が悲しく翳る。
 俺の心は晴れない――俺の心は痛みつづける。

【デス・マス・ファイヤー!!】
 可愛らしいルーミィの呪文が聞こえる、そして炎が魔物を消滅させていく。
 俺はただそれを見ていた……。
「おいおいリーダー、ルーミィに助けられてどうするんだよ?」
 トラップの叱咤する声が背後から聞こえる、魔物は俺たちを襲ってきた。
 倒さなければ俺たちが倒されていた――それはわかっている。
「魔物だって――生きているのにな」
 俺はただ呟く、太陽の日差しさえ今の俺には辛い。
 心が泣いている、涙を流しつづける俺の心。
「クレイちょっと疲れているんじゃない?」
 労わるようなパステルの声、それさえも俺の心を暗くする。
 柔らかく優しい太陽の日差し――それを感じながら俺は前に 魔物を倒した時のことを思い出していた……。
 魔物の目に涙――剣を振るい闘う剣士の俺。
 それは何処か淋しく哀しい俺の思い出。
 疑問を感じ始めた――ある冒険からの出来事だった。


続く


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